出品者名を記載したポケットティッシュやおしぼりを付けていれば、JANコードが存在する商品でもノーブランド品での販売が可能となる
「おすすめ商品」に選ばれる基準である、「競争力のある価格設定」、「顧客から高い満足度を得ている」商品とは程遠いにもかかわらず、「おすすめ出品」として、そして検索においても一番トップに表示される。
Amazonは全く「おとく」でないものを「おトク」と商品を検討する一般消費者に実際のものよりも著しく有利であると誤認させ、不当に顧客を誘引し、自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれを有する表示を行っており、有利誤認(4条1項2号)に該当する。また、Amazonが国との訴訟において、Amazonサイトでの購入に際し、消費者はカスタマーレビューを必ず確認し、真実のものとすると殊更に主張しながら 、何人ものカスタマーレビューが詐欺だと指摘する商品を定期購入させる行為により、被害をますます拡大させている。
出品者評価が「レビュー4.9/5」、「過去12か月間で100%が肯定的」と表示されているが、評価1のすべてをAmazonの責任において削除し、評価1については、わざわざ0%をクリックしないと削除された表示は公開されない。その中には、「詐欺ですね。(中略)アマゾンさんちゃんと業者を調べてください。無責任です。以前も同様な事ありました。」と一度ではない被害を受けていることも投稿されている。これは検索上位に表示されるおすすめ商品を「おすすめ」と信じて購入し、誘導されて被害を受けた典型的な詐欺事例といえること。
定期購入のキャンセルが購入者にとって非常に複雑で手間がかかるものにすることで解約しづらくし、販売手数料が入るAmazonだけが得をするシステムを運用している。
2023年9月26日に米国FTC(連邦取引委員会)及びニューヨーク州をはじめとする17の州がAmazonを訴えたこと【ニッセイ基礎研究所保険研究部、常務取締役研究理事の松澤登氏が「基礎研レポート:Amazonに対する競争法訴訟」として、日本語で詳しく解説し公開されている】。
その中でFTCは、Amazonが顧客の行う1クリックごとに出品者が支払う広告料を目的に、無関係な商品を検索結果に埋め込み、消費者はより低価格の商品を探すことが困難となり、より高価な商品へと誘導していることを主張しているが、本国でも同行為が明らかとなった。
全く「おトク」でないものを「定期おトク便でもっとおトクに」と記載し、Amazonが積極的な発送をもって詐欺ビジネスに加担していること。定期購入で安くもない商品を購入させるだけでなく、「次回発送分のキャンセルも可能」という消費者に重要な部分は、長文でないにもかかわらず全文表示せず、消費者が見つけにくいようサイドバーを見えづらい表示にし、売り上げのためには悪意をもって被害を拡大させている。独禁法は不公正な取引方法を行った企業に対し、故意・過失の有無を問わず責任を免れることができないとする(無過失の損害賠償責任) 。
原告がアマゾンジャパン代表取締役ジャスパー・チャン宛てに対して行った内容証明の中で、ロシア人出品者がロシア軍支給品を販売していることを指摘しても、すぐに対応するかしないか選択肢がありながら、売れ筋商品であるため放置し続けた経緯があり、マネーロンダリングの観点から問題であることを疑問視すらしない。また原告以外にも、Amazonで非正規Office付属パソコンが販売されていることをジャスパー・チャンに指摘したにもかかわらず、不正行為を認知したうえで販売を継続させるのみならず、2022年、2023年とこれら商品を販売する詐欺業者を表彰しており、共犯関係だと指摘する者も存在する。
Amazonが毎週のように投稿される被害を訴えるカスタマーレビューを削除しているのは、スポンサー広告を付けて高額商品を販売する悪質出品者と結託し、利益を得ているからにほかならず、出品者が常に高い評価を維持しておすすめ出品の選考から漏れないよう配慮している。
Amazonは自己の利益のために悪質出品者と結託し、消費者が高額商品を選ぶように目立つ場所に配置し、おすすめ出品という被告にとって都合の良い恣意的な購入導線運用を行っている。 「スコッティ ティッシュペーパー」で検索できる、当該商品で一番安い商品は、米国の消費者訴訟において指摘されるように、検索表示の56番目まで閲覧し続けないと表示されない。原告調査では452円が最安値であり、11件もの出品者が販売しているにもかかわらず、Amazonは「「おすすめ出品」の要件を満たす出品はありません」と表示し、隣に表示されるAmazon倉庫から発送される3パック2890円、あるいはその隣のポケットティッシュ付き980円の高額商品を「カートに入れる」と買いやすくする一方、複数の出品者が価格を競い合う安価な商品は、購入できるのかわからない表示を行っている。11件の出品者は、被告による「おすすめ出品される可能性がある」として大口出品手数料を支払い、「おすすめ出品」される可能性に期待を寄せながら販売を行っている。
【事例:スコッティ ティッシュペーパー】
原告第14準備書面 ページ25-61を参照