Amazonによる不法行為【別表1番号16】原告が販売するHarrods(ハロッズ)社の並行輸入品を排除した営業妨害[原告第17準備書面]
Amazonは「Harrods」や「ハロッズ」と表記がある、あるいは「Harrods」とロゴの入った合計10点の商品を販売している「Yu-kiショップ」に対し、2024年6月20日以降に登録された商品は「ブランド:HGSLQDEE」、2024年7月9日以降は、「ブランド:QWHYQXI」としてブランド登録を認め、2024年7月24日現在、問題なく販売許可を与えている。
ちなみに原告調査において、「Yu-kiショップ」、あるいは「ブランド:HGSLQDEE」及び「ブランド:QWHYQXI」のいずれにおいても商標登録は見当たらない。
「Yu-kiショップ」が販売する商品、例えばASIN:B0D7P6JR4Dは、①ブランドは「HGSLQDEE」であるとするが、商品名に「Harrods」を使用し、商品説明でも「世界でも有名なハロッズ百貨店のトートバッグです!」との記載を行っている。つまりハロッズ社の商品とするものを販売している。
極めてよく似ているものの、ハロッズ社の当該商品は裏地がクマ柄でマグネットボタンになっているのに対し、白の裏地とファスナー開閉という、②本物とは全く仕様の異なるバッグであり、③ハロッズ社のデザインではなく、Yu-kiショップがハロッズ社に無断でデザインしたショルダーバッグまで販売している。【資料4】
【資料4】
2024年7月24日、Yu-kiショップが「ブランド:HGSLQDEE」として販売している商品(ASIN:B07DP6JR4D)

Yu-kiショップ商品↓

ハロッズ社商品↓


ハロッズ本店で販売されている当該デザインのラインナップ↓

また、当該出品者が販売するASIN:B0D7PS6X37は、原告が2023年7月11日、ハロッズ社にオークションサイト上で同社の「偽造品」が出回っている【資料5】と通報し、同月14日には同社から「通報に感謝し、必要な対応を取る」とのメールがあった後、指摘のオークションサイトから削除された「偽造品」と同一商品である。
【資料5】

Amazonは、本件ストアでどの出品者も販売していない商品を出品するためには、ブランド名の設定が必要であり、Amazonに商品登録を申請するプロセスを解説している。
「当該ブランド名が、本件ストアのシステム上、商品のブランド名に設定可能なブランド名として既に認識されている場合、出品者は、次に表示される画面で、ブランド名が確認できる商品やパッケージの画像等を提出し、被告に商品登録を申請する。被告において、実際に商品やパッケージ上で当該ブランド名が確認できる等の理由により登録に問題がないと判断した場合には、申請が認められ、出品者は、当該ブランドの商品としてその商品の商品ページを作成できるようになる。」(被告準備書面(5)7頁)
つまりAmazonは、販売を希望する商品が外装上からHarrodsというロゴが確認できる商品写真に対し、「HGSLQDEE」、あるい「QWHYQXI」というブランド登録を、Amazon自ら商品を確認したうえで使用させており、ハロッズ社の知的財産権侵害に対し、当該出品者の共犯であるといえる。
Amazonは、原告が「ブランド名:ハロッズ」の「並行輸入品」として販売していた別表1番号16に対し、「2023年9月30日に、原告の販売する「ハロッズ」ブランドの商品が偽造品である可能性があると判断し、被告は原告の出品を一時的に停止」(被告準備書面(6)3頁)したとする措置は、原告に対してのみ行われた出品規約に反する措置であり、出品者が販売している商品の流通経路を確認することができないとする出品規約を反故にし(甲148の3頁「Amazonで承認されていない通知の種類」)、「このブランドには出品許可が必要」(甲81の2)と販売許可を求めたうえ、「原告の同意なく」、「原告の費用負担」にて、「一方的に」返送し、原告のみにハロッズ社の並行輸入品の販売を禁止したことは、同社の商品を主力商品として販売していた原告に多額の営業損害を生じさせ、独禁法2条9項6号イ(一般指定4項)が禁止する「不当に(公正競争阻害性)」ある事業者に対して取引の実施について不利な取扱いをするものである。
「Yu-kiショップ」が販売する商品が偽造品であるにもかかわらず出品削除を行わず、共犯となって販売を認めているのは、偽造品は仕様自体が安価な作りで粗利が大きく、当該出品者も、被告が得る利益を大きく設定している。
事実、【資料4】の5680円の偽造品に対し、被告は最低でも1点あたり販売手数料(682円)とポイント付与10%(568円)の合計1250円を手にしており、また当該出品者は広告課金も行っている。
Amazonがブランド保護の施策として主張する、「ブランド品を購入しようとするカスタマーの
保護や商品検索・比較の利便性維持・確保を図ることに力点を置きつつ、間接的にブランドの保護を図ることを目的とする」(被告準備書面(5)6頁)との主張が事実であれば、「ブランド:HGSLQDEE」及び「ブランド:QWHYQXI」は「ハロッズ」とは無関係であるため、「ハロッズ」での検索では表示されないはずであるが、実際には「ハロッズ」で検索すると、検索1番目と2番目に表示される【資料7】。
【資料7】

拡大したもの↓

つまりAmazonは「Yu-kiショップ」から1点あたり22%もの販売手数料に加え、当該出品者はスポンサーでもあり、FTCが指摘する検索結果に埋め込まれた無関係な商品に対し、1クリックごとに支払われる広告料を得ている(原告第14準備書面39頁)。
Amazonは、ブランド保護と手数料収入を天秤にかけ、共犯者である偽造品販売業者に対し、Amazonは偽造品登録を許可し、検索トップに表示させるという販売支援を行い、ブランドには見つかりにくいよう一般検索では検索されないような対策を行うなどして、自らが得る大きな利益を目的に本件ストアの顧客を騙している。つまり、事業者相互間の自由な競争が妨げられているのみならず、被告に多額の利益をもたらす出品者の商品に対し、出品規約を恣意的に蔑ろにすることで消費者被害まで生じさせている。
Amazonは、原告とはブランドレジストリー出品者というリベートの関係性もなく、原告はポイント付与や広告など多額の販売利益をAmazonに供与せず、それどころか原告が本件ストアより販売手数料が安いから消費者に還元しようという目的において、他サイトで販売手数料に見合った安い価格で販売していた行為が「本件ストアより安く販売している」懲罰行為にあたるとし、また消費者が求めやすい安価な品揃えを行った原告は、「販売価格が高い他の出品者の商品に対し、被告AIが誤作動を起こさせる安価な品揃えである」とし、そのような商品が本件ストアに存在していると都合の悪いAmazonが、Amazon自らの独断で、何ら問題なく原告が販売するハロッズ社の商品に対してのみ、Amazon自ら流通経路が確認できないと明記している出品規約を反故にし、ハロッズ社からの出品許可が必要であると販売停止し、商品を撤去した。
今になって偽造品が出回っているからとの主張を行っているが、事実、この主張以降に自らの判断で上記偽造品を許可しており、懲罰目的の知的財産権侵害通知が、ハロッズ社の商品を販売する原告のみに行われ、人格権侵害であると同時に、被告による懲罰行為の存在は明らかとなっており(原告第14準備書面67-68頁の第4)、自らに都合のよいブランドプロテクションと目的を偽った不法行為を巧みに操作することで、検挙数の水増しを行った。
原告第17準備書面 を参照